ACRS療法は自己血サイトカインリッチ血清のことで、患者様ご自身の血液から抽出・増幅した抗炎症性サイトカインを使用した最新の再生医療です。
患者様ご自身の血液から、白血球と血小板に由来する成長因子と炎症を誘発する「炎症誘発サイトカイン」を抑える「抗炎症性サイトカイン」から有効成分のみを抽出して培養し、高濃度に濃縮した「自己血サイトカインリッチ血清」を関節に注入して炎症や加齢による症状の改善を図る治療です。 自己血サイトカインリッチ血清には、抗炎症性サイトカインを含んでおり、細胞への炎症性サイトカインを取り込むことを阻止して関節内の炎症状態を改善させ、さらに成長因子の効果で症状を緩和していきます。
サイトカインは細胞の働きを伝達する物質です。炎症を抑える作用のある「抗炎症性サイトカイン」と炎症を引き起こす「炎症性サイトカイン」があります。 慢性炎症は、常に抗炎症性サイトカインの放出が炎症性サイトカインより少ない状態です。 健康な人間の体では恒常性を維持するために、「抗炎症性サイトカイン」と「炎症性サイトカイン」がバランスよく存在しています。 しかし、加齢や閉経・更年期、内分泌障害、外傷、ストレス、過度の運動、環境などの様々な要因で「抗炎症性サイトカイン」と「炎症性サイトカイン」のバランスが乱れてしまうと、慢性的な炎症が生じます。 慢性的な炎症で活性酸素が生成され、この活性酸素により炎症が起こるとさらに活性酸素が生成されるという悪循環が起こると細胞の老化が進み、慢性炎症が起こります。 変形性関節症の場合はこの状態が強く生じていることが多いです。 関節内に慢性炎症が生じることで、関節炎や変形性関節症を進行させ、半血版の退行性変化や軟骨の非薄化などが起こりやすくなります。
ACRS療法は、慢性的な炎症状態を細胞への炎症性サイトカインを取り込むことを阻止して関節内の炎症状態を改善させ、さらに成長因子の効果で症状を緩和していきます。
患者様ご自身の血小板を豊富に含む血漿成分(PRP)を使用し、主に組織修復に利用され、関節炎や軟部組織の損傷の治療などに用いられます。
患者様ご自身の血液中から白血球と血小板が産生する成長因子と抗炎症性サイトカインを含む成分を使用し、炎症や細胞老化による症状の治療に利用されます。関節疾患や炎症性疾患に対する治療が含まれます。
主に組織修復に焦点を当て、血小板が傷ついた組織を修復し、新しい組織の成長を促進します。
白血球と血小板によって産生された成長因子と抗炎症性サイトカインが、炎症を抑制し、組織を修復し、細胞の若返りを促進します。主に炎症と関連した症状の治療に特化しています。
1回の治療でも効果が期待できます。より高い効果や効果の持続のために、3~4週間ごとに3回程度の治療を行うことをお勧めしております。
炎症性サイトカインを抑制することで、痛みの改善が期待できます。
変形性膝関節症などの進行を抑制し、関節の温存が期待できます。
手術や入院は不要です。外来で注射のみで行うことができるので、治療の直後から通常通りの生活を送っていただけます。 ※重篤な副作用などは報告されておりません。
患者様の症状やお悩みについて医師が丁寧にお伺いしております。
外来にて約12mlの血液を採取します。
専用の機器を使用し、ACRS(自己サイトカインリッチ血清)を抽出します。 3時間程度お時間をいただきます。
痛みのある箇所へ注射を行います。当日中に治療は完了します。 ※採血し加工開始後3時間以上経過すると反応の過程によって炎症性サイトカインも増量し効果が薄れてしまう可能性もありますので、お時間に余裕を持って御来院ください。
治療後は注意点などを医師からご説明し、そのまま歩いてご帰宅いただけます。 ※治療効果や痛みの感じ方は個人差があります。
シャワーは当日から可能ですが、入浴は翌日以降にしてください。ただし、2~3日程度は長湯を避けてください。
運動は避けてください。術後7日以降、治療部位の腫れなどの症状がない場合には、運動していただいて問題ございません。
治療部位への過度な負担はかけないようにしてください。 膝の場合は、長時間の歩行・階段の上り下り等は膝への負担が大きくなりますので、避けるようにしましょう。 リハビリやストレッチは注射効果をより持続させるためにもおこなって下さい。 当院にてご指導いたします。