脂肪幹細胞治療

脂肪幹細胞とは

脂肪幹細胞治療とは

私たちの身体には「幹細胞」という、傷ついた組織を修復・再生する能力をもつ特別な細胞が存在します。

その中でも「脂肪幹細胞(脂肪由来間葉系幹細胞:ASC)」は、
皮下脂肪に豊富に含まれる幹細胞で、骨・軟骨・腱・筋肉などさまざまな組織の修復ができる能力を持っています。

① 自己複製能

自らを分裂・増殖して同じ幹細胞を保ち続ける能力
これにより、体内で長期間にわたり修復に関わることができます。

 

② 多分化能

状況に応じてさまざまな細胞(軟骨細胞、骨細胞、筋細胞、腱細胞など)へ分化できる能力
損傷部位の修復に必要な細胞へ変化し、組織の再生を助けます。

脂肪幹細胞の医学的な作用メカニズム

脂肪幹細胞は単に“新しい細胞になる”だけではありません。
実際には以下の4つの多面的な生理作用(パラクライン効果)によって治療効果を発揮します。

 

・抗炎症作用

・組織修復

・免疫調整作用

・パラクライン効果

 

① 抗炎症作用

炎症の原因となるサイトカイン(IL-1β, TNF-αなど)を抑制し、
かわりにIL-10やTGF-βなどの抗炎症性サイトカインを分泌して炎症を鎮めます。
これにより関節内や腱の炎症が軽減し、痛みや腫れの改善が期待されます。

 


② 組織修復・再生促進

脂肪幹細胞は軟骨細胞や線維芽細胞への分化能力を持ち、
損傷した軟骨・靭帯・腱などの修復をサポートします。
また、血管新生因子(VEGFなど)を放出し、
血流を改善して治癒環境を整えます。

 


③ 免疫調整作用

免疫細胞(T細胞・マクロファージなど)の働きを調整し、
過剰な免疫反応を抑制することで、慢性炎症の進行を防ぎます。
これにより、変形性関節症の進行抑制にも寄与すると考えられています。

 


④ パラクライン効果

脂肪幹細胞は、周囲の細胞に修復を促す成長因子という物質を分泌します。
具体的には、FGF・PDGF・IGF・HGFなどの成長因子が放出され、
関節内の細胞が活性化され、自己治癒力が長期的に引き出されるのです。

 

当院の脂肪幹細胞治療の特徴

・再生医療等安全性確保法に基づいた届出・認可施設

・提携の細胞加工センター(CPC)で安全に培養・処理

・採取時の傷跡が小さく、採取する脂肪量も少なくて済むため身体的負担が圧倒的に少ない

・1関節に対して細胞数1億個と安定して大量の細胞を投与可能

・不純物を取り除いて自己脂肪由来の細胞のみ使用し、拒絶反応・感染リスクを最小化

・医師が症状や画像(MRI・レントゲン)をもとに最適な治療法を提案

・投与後も定期的な診察やリハビリテーションで痛みへのフォローアップも丁寧

成長因子治療(PRP/PFC-FD/ACRS)との違い

 

同じ再生医療という括りでひとまとめにされていますが、脂肪幹細胞治療とPRP療法、ACRS療法は内容が大きく異なります。

PRP、PFC-FD、ACRSなどの成長因子治療と脂肪幹細胞治療の違いを表にまとめました。

 

 

脂肪幹細胞治療

成長因子治療(PRPPFC-FDACRS

主な成分

幹細胞(生きた細胞)

成長因子やサイトカイン

作用の仕組み

幹細胞が成長因子を分泌し、組織修復を誘導

既存の成長因子で自然治癒を促進

効果の持続

長期的(数年以上)

短期的(数ヶ月~数年)

必要な処置

脂肪採取(局所麻酔)

採血のみ

投与回数

基本的に1回投与(追加投与も可)

2−3回投与が好ましい

主な適応

中~重度の関節変性、腱・靱帯損傷

軽症の関節痛、炎症、スポーツ外傷

治療の目的

組織の再生・構造修復

痛みや炎症の軽減

 

症状別おすすめの治療法

状況

おすすめの治療

軽度の痛み・炎症

成長因子治療

軟骨のすり減りや変形が進行

脂肪幹細胞治療

手術を避けたい・再発を防ぎたい

脂肪幹細胞治療

スポーツでのパフォーマンスを上げたい

成長因子 → 状況により幹細胞も検討

採取から投与までの流れ

1脂肪を採取

局所麻酔を行い、皮膚を数センチ切開し、皮下脂肪を複数回少量ずつ採取します。
処置時間は10分程度で終了します。

2培養

採取した脂肪を提携する細胞加工センター(CPC)に送り、幹細胞を安全に抽出・培養・加工します。

細胞培養はおよそ4−6週間で完成します

3投与日を設定、注射

投与日は決定した日付の15日前までなら変更可能です。それ以降ではキャンセル料が発生する場合があります。

※注意事項


投与後1週間は長距離の歩行や階段の過度な昇降は避けてください
さらに数ヶ月間は激しいスポーツは控えてください

脂肪採取の方法

 

当院では、へその下あたりの皮下脂肪から幹細胞を採取します。

 

①採取部位を消毒し、局所麻酔を行います。

②皮膚を数センチ切開し、ニードルパンチ法で皮下脂肪を少量ずつ複数回採取します。

③採取量は1−3g程度(豆粒大を数個)。処置時間は約10分で終了します。
④採取後は止血と小さなテープ固定(場合によっては切開部を縫合することもあります)を行い、通常はそのまま歩いてお帰りいただけます。

 

採取した脂肪は、提携する細胞加工センター(CPC)に送り、幹細胞を安全に抽出・培養・加工して治療に使用します。

脂肪幹細胞治療の合併症・リスクについて


脂肪幹細胞治療は安全性が高いとされていますが、医療行為である以上リスクはゼロではありません。
以下のような可能性が報告されています。

・採取部位の内出血・腫れ・痛み(数日〜1週間で軽快)

・感染(非常にまれ)

・皮下硬結(しこり)が一時的に残ることがあります

・局所麻酔に対するアレルギー反応(極めて稀)

・投与部位に一過性の違和感や痛みが出る場合


いずれも多くは一過性で、重篤な副作用の報告はほとんどありません。
当院では、厚生労働省の再生医療ガイドラインに基づき、安全性を最優先に実施しています。

治療費について

  幹細胞の培養、注入費用

1関節
(片膝)

 980,000円

2関節
(両膝)

1,180,000円

 

脂肪幹細胞治療に関する
よくある質問

入院は必要ですか?

脂肪採取と幹細胞投与のために2回ほど外来受診していただきますが、入院の必要はありません。

費用はどのくらいでしょうか?

100万円となります。分割払いも可能です。

治療期間はどのくらいかかりますか?

脂肪採取ののち、幹細胞を培養するために6週間程お待ちいただきます。6週間の培養で幹細胞2回分を培養します。投与期間は一回ごとに3週間間隔を空けるため、最長で9週間かかります。

2回投与分を片方ずつ両膝に投与することは可能ですか?

患者様一人ひとりの症状に合わせたオーダーメイドの治療を行いますので、投与箇所・投与回数はお選びいただけます。

 

 

 

最後に

 

脂肪幹細胞治療は、痛みを「抑える」のではなく、痛みの原因となる組織を“修復する”ことを目的としています。

「薬や注射では良くならなかった痛みを、自分の細胞の力で改善したい」

そんな方に、新しい再生医療の選択肢として注目されています。

 

痛みを我慢し続ける日々から、一歩前へ。

「再生医療が難しくてよくわからない」
「どれを選べばいいか分からない」
「自分には適した治療なのか」

 

などなど、まずは相談だけでもお気軽にどうぞ。
そんな方のために、無料相談会やInstagramでの症例・情報発信も行っています。
気になる方は、ぜひお気軽にご参加・フォローしてみてください。

無料相談会のお問い合わせは当院公式ラインもしくは電話にて承ります。

 


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患者様一人ひとりの症状に合わせたオーダーメイドの治療を行いますので、投与箇所・投与回数はお選びいただけます。

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